レストランで働く夢を叶えるために製造業から外食の道へ。入社3ヵ月で食材の発注を担当

インダー・ディアナさん
(INDAH DIANA)
1998年生まれ
中部ジャワ・スマラン市出身
アセットフロンティア株式会社
ムスリムでも安心して働けるお店を選んだ
5歳の頃から『ONE PIECE』や『ドラえもん』などの日本のアニメが好きで、「大人になったら日本で働きたい」と考えていたディアナさん。19歳で日本語学校に通った後、20歳で技能実習生として来日した。
靴下や服を作る編立工場で5年間働いた彼女は、特定技能に移行する際に飲食料品製造業の技能試験を受けて合格。業種を切り替える手続きを行い、弁当を作る工場に就職した。ここでは1年ほど働いていたが、元々料理が好きだったことから外食業の技能試験にも挑戦して合格。2024年8月にハラルラーメン店「麵屋 帆のる」を運営するアセットフロンティアに転職した。
「レストランで働きたいという夢があったので、外食の道を選びました。日本は豚肉を使うレストランが多い中、『帆のる』はハラルフードを専門に扱うお店だったので、ムスリムの私にとって魅力的でした」

よりよい接客をするために帰宅後も英語を勉強
ディアナさんは現在、2024年4月12日にオープンした「帆のる ぷれみあ浅草」で働いている。浅草は外国人観光客が多いこともあり、東南アジアや中東、ヨーロッパから来た人たちが昼夜問わず訪れる。
基本的なシフトは、2回の休憩時間(1回60分)込みで10時~21時30分。出社してすぐに前日の売り上げ管理や店舗の清掃、仕込み作業といった準備を行い、11時30分からのオープンに備える。21時までの営業時間中は、調理専門の店舗でオーダーを受けた料理を作り、徒歩2分ほど離れたところにある店舗「ぷれみあ浅草はなれ」まで運ぶ。
「ラーメンのほか、餃子やから揚げなども作っています。仕込みが必要なものも多く、全体で約4時間はかかるので、前日のうちに明日使うものを用意しておきます。オープン前はたくさんやることがあって忙しく、時間内に終わらないこともありますが、そんな時は余裕があるタイミングで再開しています」

入社3ヵ月目からは、店長代理として食材の発注も任されている。最初は客数や注文が多い料理を予想するのが難しく、特に観光客が多い土日や連休はどのくらいのお客さんが来るのか想像できなかったが、数ヵ月ほどで忙しくなる日を見極めて事前に発注をかけられるようになった。
大変なことも多いが、ほかの外国人スタッフとともに力を合わせてがんばれる環境が彼女の支えになっている。お客さんの9割が外国人ということもあり、帰宅後には30分ほど英語を勉強する時間を作り、よりよい接客ができるよう努力を続けている。
将来はインドネシアにレストランや日本語学校を建てたい
先月、日本人の男性と結婚したばかりというディアナさん。休日には2人で散歩に出かけるなど、仲睦まじく暮らしている。特定技能2号を取得する道も考えていたそうだが、今後は配偶者ビザを取得して日本で長く暮らす予定だ。
そんな彼女の夢は、日本に拠点を置きながらインドネシアでも新たなビジネスを立ち上げること。自身の経験を生かしてレストランや日本語学校を運営し、インドネシアと日本の両方で活躍していきたいと話す。
「最初はインドネシアに帰ろうという気持ちがありましたが、今はずっと日本にいたいと思っています。日本の生活は楽しいし、困ることも少ないので。ただ、日本語はかなり難しいので、もしこれから日本で働きたいと考えている人がいたら、入社前に3ヵ月程度はまとまった時間を取って勉強することをお勧めします」
