更新日2025年04月24日
株式会社川村工業で働くトゥグさん

農家から左官職人に転身し新しい仕事に挑戦して日本の言葉や文化を学びながら長く働きたい

トゥグ・ウィドドさん
(TEGUH WIDODO)
1998年生まれ 中部ジャワ・ウォノギリ市出身

災害に強い日本の建築技術に興味があった

2024年に技能実習生として来日したトゥグさん。現在は川村工業の左官職人として、神奈川県川崎市の現場で働いている。

彼が日本で働こうと思ったのは25歳の頃。当時は稲作の仕事をしていたが、家族から「日本の仕事は給料が高いから挑戦してみたらどうか」と勧められたことがきっかけで技能実習生の道を選んだ。

「田んぼの仕事に飽きてきたこともあって、新しい業種にチャレンジしようと思いました。建設について調べたところ、日本の建物は地震や台風に強いと知り、どうやったらそんな建物を作れるのかを学びたくてこの業界を選びました」

未経験ということもあって、スキル不足に悩む日も少なくない。それでも、新しい経験ができることに日々ワクワクしているという。現場の先輩や監理団体の先生からの指導を受けながら、毎日楽しく業務に励んでいる。

納豆や吉野家の牛丼がお気に入り

トゥグさんが日本に来て驚いたのが、料理の味付けの違いだ。インドネシアでは味や香りが強い料理が多いため、出汁や素材の味を生かす日本料理は薄味に感じる。そうした味覚の違いに戸惑ったが、現場の先輩たちからお勧めの料理やお店を教えてもらっているうちに「日本の料理もおいしい」と思うようになった。中でも好きなのが吉野家の牛丼。初めて食べた時には思わず「おいしい」とメモを残したほど感動したそうだ。

そして好物は納豆。安くておいしいという理由から自宅にも常備している。

「入国後の1ヵ月研修の時に日本人の講師から勧められて納豆を食べました。初めて食べた時は、においがキツくて『無理だ……』と感じましたが、ソースをかけて食べてみたり、何回も挑戦したりしているうちに、だんだんおいしく思えてきました。今では生卵と混ぜてご飯にかけたり、インスタントラーメンやカップラーメンに入れたりして食べています」

日本語をしっかり勉強して特定技能のビザを取りたい

トゥグさんは、日本に来る前に日本語能力試験(JLPT)のN4を取得し、その1年後にN3を取得した。「日本で暮らすなら日本語が一番大事」と話す彼は、現在も毎日朝と晩に日本語の勉強を欠かさない。

「夜の勉強時間は30分ほど。YouTubeにある日本語学習の動画を観たり、読めなかった漢字をノートに書いたりしています。次の日の朝にそのノートを見返して、昨日読めなかった漢字を復習しています。漢字は難しいのでまだ書くことはできませんが、読んで理解することはできるようになりました」

勉強熱心なトゥグさんだが、そのやる気の裏には日本で長く働きたいという思いがある。技能実習の期間が終わった後はインドネシアに戻って家族のために家を建てる予定だが、特定技能のビザを取り直して再び日本で働きたいという。

「どの業種にするかはまだ考え中ですが、日本語が上手になって現場以外の仕事にも挑戦してみたいです。日本に長くいられるようになったら、日本人の恋人も作りたいですね(笑)」