【特集記事:第3回】留学生と歩む拓殖大学
2023.12.08 up

【特集記事:第3回】留学生と歩む拓殖大学

最先端の医療・科学技術を用いたモノづくりや、ひらがなや漢字といった多彩な表現ができる言語に惹かれ、日本へ留学を志す学生は多くいます。今回は、国内上位の外国人留学生数を誇る拓殖大学のインドネシア人留学生3人に、日本に留学した理由やキャンパスライフ、サークル、将来についてお話を伺いました。日本での生活を支える充実した留学サポートや、留学生寮についても合わせてご紹介します。

拓殖大学公式サイト
https://www.takushoku-u.ac.jp/

1,000人以上の留学生数を誇る国際大学「拓殖大学」

拓殖大学の留学生はなんと1,000名以上。フィリピン、モンゴル、インドネシア、ミャンマー、メキシコ、カンボジアなど41の国・地域(2023年5月11日時点。外国籍含む)から多くの学生が集まっています。キャンパス内には世界各国の言語が飛び交い、日本人学生はもちろん、外国人留学生にとっても多くの異文化交流が叶う環境となっています。

拓殖大学では「国際性」「専門性」「人間性」を備えた世界で活躍できる人材を「拓殖人材」とし、育成に力を入れています。

外国人留学生に選ばれる理由

日本での大学進学や就職を志す際、多くの留学生が言語能力の習得や、日本事情、日本文化などを学ぶために通う日本語学校。
拓殖大学は全国約300校の日本語学校の進学先として選ばれているほか、別科 日本語教育課程という大学進学のための日本語教育機関も有しています。

また、全国の日本語学校教職員に日本語を学ぶ生徒を進学させたい大学・専門学校についてアンケートを行い、結果を表彰する「一般財団法人日本語教育振興協会」主催の「日本留学AWARDS」では、2023年度時点で、東日本私立大学文科系部門で7年連続入賞、そのうち3年連続で大賞を受賞しています。

・日本留学AWARDS 2021 私立大学理工系部門(入賞)
・日本留学AWARDS 2023 私立大学文科系部門(大賞)

※大賞は、部門毎の東西地域のトップ校10校
※2022年度は未開催

2021年度の受賞記録。外国人留学生が安心して学べる進学先として、日本語教育機関から高い評価を得ていることがわかる

留学生にインタビュー

では早速、留学生たちに授業やサークル、アルバイトについて聞いてみました!
みなさん、どんなキャンパスライフを送っているのでしょう。


アーマド ディアズ フィタリーさん(国際学部2年生)
2020年3月に来日後、文京区にある拓殖大学別科 日本語教育課程で2年間日本語を学び、拓殖大学に入学。最初は多国籍のシェアハウスに住んでいましたが、現在はキャンパスの近くのアパートで一人暮らしをしています。

趣味は旅行で、日本だと特に仙台の牛タンが美味しかったと話すフィタリーさん。語学向上や、オンラインゲームで知り合った友人に会うために、海外にもよく足を運ぶとのこと

Q.日本に来たきっかけを教えて下さい
僕はいろんな国の人や言葉について知りたいと考えていたので、世界でも知名度のある日本なら、そういう人たちと出会えると思いました。教育も充実していますし、僕の母も日本がとても好きなので。

Q.大学生活はどのように過ごしていますか?
日本語での授業はやはり理解するのに時間がかかりますが、わからない部分を先生に質問したり、日本語でなく英語でノートを取るなどして工夫しています。
言語文化の対照を研究テーマにしている佐藤明彦教授ゼミナールに入っていて、ビートルズを通してイギリスの文化を学んだり、英語発音について研究しています。イギリス英語の特徴的なアクセントが好きなので、今よりもっとかっこよく話せるようになりたいです!
休日など、時間のある時には日本語、英語の他に韓国語や中国語、マレーシア語などを勉強しています。興味を持った国へ実際に行って、新しい文化に触れるのが楽しくて。

.課外活動は何をしていますか?
サークルは「インドネシア研究会」と「バドミントン愛好会」に所属しています。
「インドネシア研究会」では、母国のことを知りたいと思ってくれる人たちと話せるのが嬉しいです。日本人の友達もたくさんできました。一緒にインドネシアに行って、家族を紹介したこともありますよ。
バドミントンはインドネシアにいるときからの趣味で、学外のチームにも入っており、月に1、2回ほど活動しています。

.学外活動はしていますか?
週3回ほど、新宿の100円ショップでアルバイトをしています。新宿はキャンパスから少し遠いのですが、海外からの観光客もたくさんいるので複数の言語を使う機会が多く、言語習得にとても役立っています。

Q.将来について教えてください。
入学当初はあまり将来のビジョンが見えていなかったのですが、国際学部はアジアやアフリカ、中南米の新興国、開発途上国の国際的な課題などについて学ぶ授業が多く、次第にJICA(国際協力機構)やNGOなどの組織で、世界の教育や貧困問題の支援に携わる仕事がしたいと思うようになりました。
2年次からの専門コースも、関心の深い国際協力のあり方について学べる「国際協力コース」を選択しました。


好奇心が強く行動的でエネルギッシュなフィタリーさん。好きなものや夢に向かって前進する姿が眩しいです。




2023年4月から留学生寮で暮らしているファドリーさん(左)とヨンニさん(右)。寮生は、寮内のTVルームや卓球室といった共有スペースで、コミュニケーションを取ることも多いそう


ヨンニ パタンドゥンさん(国際学部1年生)
静岡県にある日本語学校に2年間通ったのち、拓殖大学へ入学。K-POPアイドルが大好きなんだとか。

ファドリー ファウザンさん(国際学部・交換留学生)
インドネシアの首都・ジャカルタにある、拓殖大学の海外提携校・ダルマプルサダ大学からの交換留学生※1。2年生の後期(2023年4月)から拓殖大学に留学中。

Q.日本に来たきっかけを教えて下さい
ヨンニさん(国際学部1年生)
高校の先輩が今日本でバリバリ働いていて、その姿に憧れたからです。インドネシアの高校で、日本語の授業を受けていたのも興味を持ったきっかけですね。両親と進学の話になった際、日本へ留学したい!と自分から伝えました。来日後、最初の2年間は静岡県にある日本語学校に通い、その後日本語学校の先生に設備や制度が充実しているからと拓殖大学を勧められ、入学を決めました。

ファドリーさん(国際学部・交換留学生)
両親はどちらもインドネシア人なのですが、父親が仕事の関係で日本にいることが多く、僕自身も日本で生まれました。幼いころは、父に会いに家族で日本へ度々来ていたので、ちょっと懐かしく感じる部分もあります。その後ジャカルタにあるダルマプルサダ大学へ入学しましたが、インドネシアで見ていた日本の映画やドラマで見たキャンパスライフに興味を持ち、2年生の後期から交換留学生※1として拓殖大学に来ました。2024年の3月まで日本に滞在する予定です。

Q.大学生活はどのように過ごしていますか?
ヨンニさん
留学生が多いので、日本人だけでなく、海外の友達もできて毎日楽しいです。日本語はまだ少し自信がない部分もありますが、着々と身についていると感じています。2年生からのゼミナールは英語力を高めるため、マレーシア人の友人と一緒に佐藤明彦教授ゼミナールを選択しました。英語の文法や発音はもちろん、イギリスの文化などについて学べるゼミです。休日はよく音楽を聴いたり、韓国ドラマを見たりして過ごしています。

ファドリーさん
授業は主に、日本語や日本史などの授業を受講しています。ほかの留学生とは授業や食堂で話したりして仲良くなることが多いですね。外国人留学生と日本人学生がグループになって交流を深める「CAMPUS FRIENDS」に入っているので、月2回ほどグループのみんなと食事に行ったり、ピクニックをしたりして楽しんでいます。定期的に活動報告会があるので、ほかのグループの活動を知るのも面白いです。休日は、寮の友達と出かけることが多いです。寮内の卓球コーナーもよく利用しています。

.課外活動は何をしていますか?
ヨンニさん
サークルは、入るかどうかまだ悩んでいます。日本人の友達が欲しいので、インドネシア研究会が気になっています。やっぱり授業よりもサークルに入ったほうがコミュニケーションをとる機会が多いし、大学のイベントもより楽しめると思うので。

ファドリーさん
「ビートルズ研究愛好会」に所属しています。楽器を貸してもらえるので、ずっとやってみたかったベースを借りて演奏しています。いつもは週に2~3回の活動なのですが、語劇祭※2 での演奏発表が控えているので、ほとんど毎日練習しています。「インドネシア研究会」にも入っていて、紅陵祭※3では模擬店でインドネシア料理を販売しました!

.学外活動はしていますか?
ヨンニさん
時間の融通が利きやすいので、週3回コンビニでアルバイトしています。日本語学校の時に工場で働いていた経験のおかげで、コミュニケーションもそこまで大変ではないです。ただ私の働くコンビニはまだセルフレジではないので、レジの精算作業が大変です。

ファドリーさん
大学近くのコンビニで週3回ほどアルバイトしています。たくさんある商品を覚えたり、品出しするのが大変です。日本語での接客はだいぶ慣れてきて、スムーズにこなせるようになってきました。


卒業後については、ヨンニさん、ファドリーさんお2人とも検討中とのことでしたが、今後の専門コースでの授業なども踏まえ、インドネシアでの国際的な仕事や、日本での就職も視野に入れて検討しているとお話されていました。

※1
拓殖大学が実施する、学術交流協定を締結している海外の大学に学生を派遣・受入する留学制度のこと。現在世界9か国、全15もの協定校があり、毎年1協定校につき1名を派遣している

※2
毎年秋に八王子国際キャンパスにて行われる、拓殖大学の三大祭典のひとつ。各研究会が本格的な外国語劇を披露するほか、文化活動発表としてジャズ研究会、アカペラ同好会、ビートルズ研究愛好会などが歌や演奏を披露する(語劇祭に密着した過去記事はこちら

※3
毎年10月ごろに文京キャンパスで開催される、拓殖大学最大の大学祭。ステージ企画や教室展示のほか野外模擬店が多く立ち並ぶ

キャンパス敷地内にある八王子留学生寮

八王子国際キャンパスの留学生寮は、北門から入ってすぐの場所にある

次に、ヨンニさんとファドリーさんが暮らす大学敷地内の留学生寮にお邪魔しました。
この寮にはインドネシア、中国、ベトナム、ミャンマー、モンゴルなど、さまざまな国の留学生が暮らしています。国際交流に関心のある日本人学生も、留学生をサポートするチューターとして現在4人ほど住んでいるそうです。

学生のお部屋をのぞき見!

部屋はそれぞれ家具家電付きで、インターネットも無料で使えます。
多目的ホール・パソコンルーム・TV室・和室・音楽室・調理室・卓球ルームなど設備も充実していて、寮生みんなでTV室でスポーツ観戦をするなど、寮ならではの交流を楽しんでいます。

シンプルにまとめられているファドリーさんの部屋。寮は全室広さ18平米のワンルーム


ヨンニさんのデスク。授業で使用するテキストのほか、大好きなK-POPアイドル「NCT」メンバーのぬいぐるみや、友人と撮った写真が飾られている

「紅葉台夏祭り」で地域交流体験も

寮では、月1回の寮生集会のほか、様々なイベントやミーティング、交流会が行われています。

八王子国際キャンパスに隣接する高尾紅葉台自治会(同市狭間町)の「紅葉台夏祭り」は、毎年7月ごろに行われる地域の人々が集うお祭りで、寮生たちも毎年参加しています。
新型コロナウイルス感染症の影響により中止が続いていましたが、2023年7月22日(土)に4年ぶりに開催。寮生たちは「御神輿担ぎ」「浴衣の着付け」「模擬店」に参加しました。

拓大のメインカラーであるオレンジ色の法被(はっぴ)を身にまとい、地域の子供達と一緒に御神輿を担いで町内を練り歩く寮生たち

模擬店では学生自ら「ベトナムの揚げ春巻き」と「韓国のキムチチヂミ」を販売。お祭り開始から約1時間で完売するほど盛況だった


日本独自の文化である「御神輿担ぎ」の体験や、日本の伝統的な民族衣装といえる「法被」「浴衣」に身を包んでの参加は、学生たちにとって非常に貴重な経験となったに違いありません。

留学生サポートも充実

拓殖大学では、世界中から訪れる留学生をサポートする制度が充実しています。

留学生奨学金
外国人留学生を対象とした奨学金は、公的機関の奨学金、民間団体の奨学金、拓殖大学奨学金の3種類。拓殖大学奨学金は、拓殖大学外国人留学生奨学生、西郷隆秀顕彰記念外国人留学生奨学金といった奨学金で1年に5~10万円を援助しています。
※いずれも応募方法や応募資格、採用人数は異なります

外国人留学生研修旅行・体験学習
外国人留学生が日本の歴史・伝統文化等を実際に体験・理解し、より実りある留学生活を送れるよう1年生・2年生を対象とした1泊2日の留学生研修旅行(前期)と体験学習(後期)を実施しています。留学生同士はもちろん、先生、日本人学生とも交流できる機会となっています。


在留手続き
在留カードの更新、「留学」の在留資格でアルバイトをするために必要な「資格外活動許可書」発行手続きの相談などを行っています。

在学生留学サポート
・海外留学プログラム(TUSAP)
短期(1~5週間)または長期(5か月~7か月)の海外研修プログラム。キャンパス内の国際課には留学サポート&相談窓口があり、プログラムの内容はもちろん、留学全般について相談ができます。

・個人研修奨学金
特定の言語、地域科目を履修している(または履修済みの)学生を対象に、学生個人での実地研修(夏季休暇期間中の3~8週間)を行う2年~4年の学部生に対して、該当国・地域に応じた奨学金を支援します。



国際的な視野を持ち、自信をもって明日を拓く「拓殖人材」を教育理念に掲げる拓殖大学。
国境を越えたグローバルな環境と多彩な言語、研究テーマ、そして興味関心を思う存分追求できる充実した留学サポートが揃っているからこそ、高い留学実績と「未来を切り拓いていく力」が培われていくのだと頷けます。