東京都内に2つのキャンパスを構える拓殖大学。校内には世界各国から集まった約1000名以上の留学生が在籍し、授業やゼミナール、サークル活動などで日本人学生と交流を深めています。今回は、国内で留学生数上位を誇る拓殖大学の中でも、最も留学生の比率が高いという国際学部に密着。約6人に1人が留学生というグローバルな環境で行なわれている授業の様子と、徳永ゼミナールの活動についてご紹介します。
▼拓殖大学公式サイト
https://www.takushoku-u.ac.jp/
この記事の目次
国際色豊かな授業をのぞいてみよう
拓殖大学国際学部があるのは、東京郊外に位置するJR高尾駅から直通バスで約5分の八王子国際キャンパス。
国際社会に多様な視点でアプローチできる人材育成をテーマに掲げるこの学部は、主にアジア・アフリカ・中南米の新興国、開発途上国について日々学びを深めています。
▼拓殖大学 国際学部サイト
https://fis.takushoku-u.ac.jp/
今回は2つの授業にお邪魔し、日常の風景をのぞいてみました。
まず訪れたのは、国際学部らしい語学の授業。インドネシア人のイワン先生が講師を務める、「中級インドネシア語ⅡーB」です。
拓殖大学の特徴は、なんといってもその多彩な語学教育。国際学部では英語の他に、アラビア語やインドネシア語、韓国語やヒンディー語など、全11言語から選択できる地域言語を必須科目に掲げています。
言語の学びをきっかけに、実際にその国へ足を運んで理解を深めたり、留学や卒業後の進路の幅を広げる学生も多いのだとか。
自主性を尊重したフィールド学習を重視
国際学部の教員は皆、世界の様々な分野の第一線で経験を積んだ、現場を知るスペシャリスト達。
机上での学びだけでなく、学生自身が実際に見て、経験して得る学びを大切にしています。
次に訪れたのは、国際協力や国際開発に知見が深い徳永 達己(とくなが たつみ)教授と藍澤 淑雄(あいざわ よしお)教授のお二人が担当されている「国際特別講座(実践のまちづくりⅡ)」。約80人という非常に多くの学生が受講しています。
まちづくりについての解説が終わると、何やら話し合いやチーム分けが始まりました。
お話を伺うと、2023年11月23日(木)に大学近くの「館ヶ丘団地」の空き地を使って、住人の方々と学生の交流を目的に、出し物や出店を行なう予定とのこと。
役割ごとに6つのチーム(企画・広報・渉外・運営・地域交流・環境設備)に分かれ、リーダー決めや今後必要な準備などについて話し合います。
今回で8回目の実施となった「国際特別講座(実践のまちづくりⅡ)」。今後もイベント当日に向け、着々と準備を進めていく予定です。
授業後、受講していた学生からは「教科書を見て話を聞くだけではなくて、自分たちで企画を練ったり課題に向き合ったり、大変だけどやりがいがある」、「今後もイベントに活動に向けた準備が楽しみ」などの声を聞くことができました。
体験する学びは、授業だけでなく、ゼミナール活動でも重要視されています。
国際学部は、2年次から本格的にゼミナール活動が開始。1年次に受けた授業や、関心のある研究分野、テーマ、指導を受けたい先生などを踏まえ、学生自身が選択します。
この授業を受講していた徳永ゼミナールの斎藤陸人さん(2年生)は、「実はこの授業がきっかけでゼミを決めました。ゼミ活動なら、さらに実践的な経験やスキルが身につけられると感じたんです」とのこと!
教授の個性や色がよく見える授業も、大きな魅力の一つですね。
現場で考え、学ぶ。豊富な体験がスキルにつながる徳永ゼミナール
徳永ゼミナールでは、徳永教授の専門研究分野である都市開発や国際開発分野に焦点をあて、「地方創生(まちづくり)の実践を通じて国際開発について考える」をテーマに活動しています。
対象は、2016年のゼミ発足以降、現地調査や地域との交流を深めてきた山梨県富士川町と、2019年より具体的に活動を開始した東京都八王子市「館ヶ丘団地」。
特産品を使用した商品の共同開発や、ふるさと納税の新たな返礼品の開発、地元民以外はあまり馴染みのない富士川町の郷土料理「みみ」のコラボメニューを学食や飲食店で販売し、知名度の向上や親しみをもってもらうなど、学生ならではの視点やアイデアを生かした活動を行なっています。
百聞は一見に如かず。価値ある学びは、実践的な活動から生まれる
まちづくり活動で重要なのは、まず第一にその地を理解し、触れ合い、好きになること。他所者の一方的な想いだけでなく、地域の方に受け入れてもらい、一緒に考え、力を借してもらえなければ成り立ちません。
ネットやデータで知ることができる情報というのは、その地域を表すほんの一部。だからこそ、実際に何度も足を運ぶことが大切なんですね。
最後に、徳永ゼミナールの学生3名にお話を伺うことができました。
ゼミナール選択のきっかけを伺ったところ、「小学生の頃、農家や空き家でのまちづくり体験を経験してから興味をもっていた」(背黒さん)、「地元の少子高齢化が深刻で、卒業後に自分が貢献できることを学びたかった」(髙橋さん)と答えてくれました。
コロナウイルス感染症の影響で、学外活動はおろか、ゼミナールもオンライン開催が続いた時期があったそう。現在は新加入生も加わり、地域の方との交流や、温めてきたアイデアを生かした企画出しなど、少しずつ以前のような活動ができるようになってきました。
これまで印象に残った活動を聞くと、「館が丘団地でキッチンカーを出店した際、みんなで協力して販売した『”みみ”おでん』が周辺の住民の方々に好評でうれしかった。」と背黒さん。
2年生で、ゼミナール活動が始まったばかりの高橋さん、齊藤さんは「今は次の活動に向けた企画案出しや準備を着々と進めています。今後の活動が楽しみでワクワクしています!」と張り切っていました。
広い視野を持った人材を育てる、豊富なカリキュラム
今回密着した国際学部は、1年次に様々な分野の基礎を学んだ後、2年次よりゼミナールに加え、以下6コースから選べるコース選択があります。
①【国際協力コース】
貧困、格差、教育、保健、環境などの問題や地域社会の課題を理解し、SDGsを踏まえた国際協力の在り方を考える。
②【国際文化コース】
各国、地域の多様な文化を学び、コミュニケーション手段としての外国語運用能力を高める。
③【国際経済コース】
金融や貿易、技術環境など多角的な視点から、先進国と開発途上国が共に経済発展していく方法を探る。
④【国際観光コース】
世界各地の観光について地理、歴史、社会、経営など分析し、国際社会における現状と未来について考える。
⑤【国際政治コース】
戦争や民族紛争などの歴史、構造と背景について理解を深め、国際社会が歩むべき未来を考える。
⑥【農業総合コース】
「文系の農業人材」として青年海外協力隊など、世界で活躍できる人材を育てる。3年次には拓殖大学北海道短期大学への農業留学で実践力を身に着ける。
選択したコースごとのカリキュラムと、各学年10名前後の少人数制を導入しているゼミナール活動で豊富な知識と経験を経たのち、3年、4年次でさらに専門性を高められる内容になっています。
もちろん、国際学部の他にも、中国語学科やスペイン学科、日本語や日本文化について学ぶ「国際日本語学科」などを備えた外国語学部、機械・通信・システム系と情報・デザイン・メディア学系の幅広い領域を学べる工学部など、世界に通用する専門性が身につくカリキュラムも豊富に備えています。
拓殖大学の各学部・学科について詳しくはこちら
https://www.takushoku-u.ac.jp/academics/
豊富な海外留学制度(TUSAP)で世界へ足を伸ばして
年間約300名の学生が世界各国へ留学に赴くという拓殖大学。22もの国と地域、そして世界中にある50の大学と交流・提携を重ねています。
5~7か月の長期研修、1~5週間の短期研修はもちろん、学生個人で研修計画を作成し、国・地域に応じて奨学金が支給される個人研修奨学金、拓殖大学の学生と提携校の学生を相互に派遣・受け入れる交換留学制度など、学生一人一人の関心や目的に合わせた留学制度が充実しています。
▼拓殖大学の留学制度プログラム(TUSAP)
https://www.takushoku-u.ac.jp/international/tusap.html
2023年8月末には、コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていたインドネシア・ダルマプルサダ大学への短期留学(13泊15日)が4年ぶりに決定!
既に1年生から4年生までの計11名の参加が決まっており、現地の学生との交流や特産品・バティックの工場見学など、国の雰囲気や文化に触れるほか、人材会社の見学などを経て、実際に海外で働いた際のライフスタイルや環境がイメージできるような内容となっています。
参加予定の阿部明日香さん(4年・インドネシア語専攻)も、「4年生で就活もあり悩んだが、海外研修に行きたい気持ちがずっとあったので参加を決意。授業で学んだ言語を生かして、現地の方と交流したり、本場のインドネシア料理を食べたいです!」と嬉しそうに話していました。
拓殖大学が教育のテーマに掲げる「拓殖人材」とは、語学はもちろん、国内外に関わらず他者の価値観やバックグラウンドを理解できる広い視野と探求心、高い専門性を持つ人材。
学生が自分の興味の赴くまま学びに没頭できる、自由で枠にとらわれない授業やカリキュラムが、拓殖大学の目指す未来を象徴しています。
▼拓殖大学公式サイト
https://www.takushoku-u.ac.jp/