山梨で暮らす外国人が“今思うこと”を語る「外国人日本語スピーチコンテスト」の模様をお届け!
11月23日、山梨県甲府市で開催された「多文化交流ひろば in 甲府えびす講祭り」にて、外国人住民が“今思うこと”を日本語で発表する「外国人日本語スピーチコンテスト」が行われました。

山梨県では外国人住民が年々増加し、2024年12月末時点では約2万3691人が暮らしています。現在は中国、ベトナム、ブラジル、フィリピン、インドネシアなどから来日した人たちが生活しており、その数は県内の中学生数を上回るほどです。
こうしたなか、彼らが地域の人々に理解され、より暮らしやすい環境をつくるための一環として、2024年からこのコンテストがスタートしました。
今回は台湾、バングラデシュ、ネパールなどの出身者が10名参加。インドネシアからは、山梨学院大学に勤務するファドリー・アグスティマヒルさんと、特定技能生としてカット野菜工場で働くベラ・ニサさんの2名が登壇しました。

ファドリーさんは「料理を通して知り合うこと」をテーマに、食を通じた異文化理解の大切さを語りました。食べることが大好きな一方、宗教上の理由で食べられないものもあるというファドリーさん。山梨県国際交流協会のボランティアスタッフとしてインドネシアの食や文化を発信する活動にも取り組んでいることから、「料理が生まれた背景や、その味が親しまれる理由を知ることは、自分の知らない世界を広げる第一歩になる」と話しました。
スピーチの最後には、「山梨県には外国人住民が経営している飲食店がありますし、山梨県国際交流協会でもその国の出身者が作った郷土料理を食べられるイベントを開催しています。新しい料理や人と出会うきっかけにもなるので、ぜひいろんな国の料理を食べてみてください」と呼びかけました。

2023年から山梨で暮らすベラさんは、同じ職場で働く夫との日常を振り返りながら「感謝」の大切さについてスピーチ。彼女はInstagramでコンテストの存在を知り、日本語力をアップするために自ら応募したとのことです。
ささやかな幸せに感謝をすることで充実した毎日を送れるとスピーチする中で、「今の生活に満足できない人は、まず自分が今持っているものに感謝してみてほしい」というメッセージを来場者に送りました。

コンテストの結果は、自分の人生をチョコレートの味に例えて新しいことに挑戦する大切さを語った、タイ出身の古屋タンヤートンさんが1位となり、インドネシア出身者のファドリーさんは3位、ベラさんは甲府市の老舗百貨店・株式会社岡島から特別賞を受賞しました。

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