日本で安全に生活するために
日本の生活に慣れてくると、さまざまな悩みや問題に直面することも出てきます。もしものとき、「どこに」「どんなことを」伝えるかをしっかりと理解しておけば、日本で生活していても安心できます。

助けが必要な場合の連絡先
日々の暮らしの中で、誰かの助けが必要になる場面もあるでしょう。思いがけないトラブルが起こるとパニックになってしまい、冷静な判断ができなくなることもあります。そんな時に備えて、普段から「どんな問題が起こった時に、どこに相談すればいいのか」を自分でしっかりと把握しておく必要があります。
(1)事件・事故にあった場合
自分の家に泥棒が入った場合や、知らない人にストーカーにあっていると感じた場合など、事件や事故にあった時は、警察に連絡しましょう。すぐに助けが必要な時は、「110」に電話をかけてください。携帯電話や公衆電話からもつながります。警察への通報は、24時間365日、無料で利用できます。
【「110」に電話をかける時は】
最初に「事件ですか?事故ですか?」と聞かれます。慌てず、落ち着いて、次の情報をはっきりと伝えてください。

【落とし物をした時】
落とし物をした時は、近くの警察署や交番に届け出をしましょう。クレジットカードやキャッシュカード、スマートフォンなどの貴重品を落とした場合は、ほかの人に使われないよう、すぐにカード会社・銀行・携帯電話の会社などに連絡してください。
落とし物が見つかった場合は、警察署の「遺失物センター」から連絡があり、そちらに取りに行くことになります。
なお、駅や電車の中で落とし物をした時は、鉄道会社に届けられている場合があります。まずは駅員に確認してみましょう。
ポイント
- 盗難やストーカーなどの事件や、交通事故が起こった場合は、警察署に連絡します。緊急の場合は、すぐに「110」に連絡しましょう。
- 「110」に連絡する時は、最初に事件と事故のどちらかを伝えた後、起こったことや場所、連絡している人の名前と電話番号などをはっきりつたえましょう。
- 落とし物をした場合は、近くの警察署や交番で届け出をしましょう。駅や電車で落とし物をした場合は鉄道会社が保管していることがあるので、まずは駅員に聞いてください。
(2)火事が起こった場合
火事が起こった時や、火事を見つけたときは、一人で対処しようとするのではなく、大きな声で周りの人に知らせることが大切です。すぐに「119」に電話をかけて、消防署から消防車を呼びましょう。消防署への通報は、24時間365日、無料でつながります。
【「119」に電話をかける時は】
最初に「火事ですか?救急ですか?」と聞かれます。「火事です」と伝えた後、慌てず、落ち着いて、次の情報をはっきりと伝えてください。

ポイント
- 火が小さいうちは、消火器を使って自分で火を消せることがあります。アパートやマンションなどの玄関などに消火器が設置されていることが多いので、普段から場所を確認しておきましょう。
- 火が天井の高さまで大きくなった場合は、自分で消すことはできません。すぐに安全な場所へ避難してください。
(3)急な病気や大きなけがをした場合
急な病気や大きなけがをした時は、火事の時と同じように「119」に電話をかけましょう。救急車が来て、病院まで連れて行ってもらえます。
救急車を呼んだ方がいい症状は、「けがが大きくて血が止まらない」「体が動かない」「強い痛みで動けない」などです。命に関わる危険があると感じたら、すぐに電話してください。
【「119」に電話をかける時は】
最初に「火事ですか?救急ですか?」と聞かれます。「救急です」と伝えた後、慌てず、落ち着いて、次の情報をはっきりと伝えてください。

ポイント
- 急がなくてもいい病気やけがの場合は、救急車を呼ばずに自分で病院へ行きましょう。
- 救急車を呼ぶか迷った時は、「#7119」に電話してください。医師や看護師などの専門家が話を聞いて、救急車を呼ぶかどうかの判断をしてくれます。
【病院について】
体調が悪いときは、我慢せずに早めに病院へ行きましょう。症状が悪化すると、周りの人に病気をうつしてしまったり、元気になるまでに時間がかかったりします。
体の具合が悪い場所によって、受診する診療科が変わります。どんな診療科があるのか、名前を覚えておくと便利です。
- 内科……風邪や腹痛、頭痛、胃腸炎、喘息など、体の内部に症状がある時に受診します。よくある病気に対応してくれるので、体調が悪いと思ったらここに行きましょう。
- 外科……手術が必要な病気やけがを治療します。内科などで診てもらい、手術が必要な場合に紹介されることが多いです。
- 整形外科……骨や関節、筋肉の痛みやけがを治療します。
- 眼科……目の病気や、目の周りに起こる症状がある時に受診します。
- 歯科……虫歯などの歯の痛みや、口腔内のトラブルを治します。
- 耳鼻科……耳や鼻の病気を専門にする診療科です。鼻水・痰がよく出る時や、花粉症などのアレルギーに関する相談をしたい時に受診します。
- 皮膚科……肌にかゆみが出た時や、火傷や水虫などの皮膚の病気が起こった時に受診します。
- 産婦人科……女性特有の病気や、妊娠・出産などの関係で心配なことがある場合に受診します。
ポイント
- 保険が使える病気の治療であれば、健康保険証を提示することで、医療費を抑えることができます。病気を我慢して悪化させてしまう方が、かえって大変になります。仕事を始めたばかりの時に体調を崩すと、「仕事を休めない」と心配になると思いますが、自分の健康が一番大切です。無理をせず、会社の人に相談して、きちんと病院を受診しましょう。
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