更新日2025年12月25日
ヤオコー熊谷デリカ・生鮮センターで働くワーユさん

インドネシアで下宿屋を経営する夢を叶えるため日本で10年は働きたい

ワーユ ブディ ヌルル ファティマーさん
(WAHYU BUDI NURUL FATIMAH)
2003年生まれ 中部ジャワ・ボヨラリ市出身

インドネシアの工場で勤務後、技能実習生として来日

ワーユさんが日本に興味を持ったのは、高校卒業後に進んだ会計専門学校で日本語の授業を受けたことがきっかけ。専門学校を卒業した後はインドネシアの縫製工場や食品工場に勤めたが、なかなか自分の希望に沿った職場で働くことができなかった。そこで、ワーユさんは現地の日本語学校に入り直し、日本での就職を目指すことに。

「日本はアジアの中で最も発展している国ですから、学べることがたくさんあると思いました。それに、インドネシアと比べて安全ですし、安定した給料をもらえるので、自分の将来と家族のために日本で働きたいと思ったんです」

2023年5月に入学した日本語学校では、毎週実施されるテストなどを通して日本語能力試験(JLPT)のN4に相当するレベルまで実力アップ。勉強と並行して日本の会社の面接も受けていたところ、埼玉県に本社を置く株式会社ヤオコーに採用が決定。2024年5月に技能実習生として来日した。

大手スーパーの自社工場で惣菜加工を担当

ワーユさんが入社したヤオコーは、関東地方の1都6県でスーパーマーケット事業を展開している。各店舗で販売される食品の開発・製造・出荷を行う自社工場が2ヵ所あり、ワーユさんは埼玉県の「ヤオコー熊谷デリカ・生鮮センター」に配属された。約1年半の間、サラダ用の野菜の下処理や包装、とんかつ用肉の下処理・パン粉付け、つくね等の下処理などを担当してきている。

「インドネシアの食品工場にいた時は、鶏肉を包丁でさばいて部位ごとに袋詰めする仕事をやっていたので、その時の経験も生かせる会社に入ることができて本当によかったです。困ったことがあると、日本人の社員さんたちが優しくアドバイスをしてくれるので、仕事にもどんどん慣れました」

熊谷デリカ・生鮮センターには、インドネシアとスリランカ合わせて約100名の外国人材が勤務しており、ほどんどが会社の寮で生活している。ワーユさんは毎朝5時に起床し、6時発の送迎バスに乗って通勤。20分ほどで会社に着き、8時~17時まで業務につく。節約のために朝食と夕食は自炊し、昼食も自分でお弁当を作って持参しているそうだ。

有給休暇を利用して泊まりがけの国内旅行を計画中

日本の歴史や文化にも関心が深いワーユさん。毎週木曜・日曜の休日には仕事で疲れていなければ、外へ出かけるようにしている。寮の近くで大好きなラーメンを食べたり、東京都内のインドネシア料理店で故郷の味を懐かしんだり、横浜や鎌倉など人気の観光地まで足を伸ばしたこともある。

「日本はとてもきれいな国だから、いろんなところに行かないともったいないですよ。連休がないので今まではもっぱら日帰りでしたが、有給休暇を取れるようになったので、これからは京都や大阪など、遠方への泊まりがけの旅行も計画します。一番行ってみたいのは世界遺産の白川郷です」

ワーユさんには将来、インドネシアで下宿屋を経営するという夢がある。実家の近くには工場が多く、国内各地から働きに来ている人たちが大勢いるため、下宿のニーズも高いという。土地を購入して建物を新築しても、日本円で200万円ほどあれば十分だそうだ。

「お金を貯めるためにも、日本でできるだけ長く、トータルで10年くらいは働きたいと思っています。技能実習生の最初の3年間が修了したら2号、3号と移行して、特定技能も取得しようと考えています。私は今の会社が大好きなので、ゆくゆくは社員になれたらうれしいです」

最後に、日本で働くことを希望しているインドネシアの人たちに伝えたいことを聞いた。

「日本語には漢字・カタカナ・ひらがながあるので、とても難しいです。できればインドネシアにいる時に、しっかり勉強してください。来日して最初の頃は、わからないことや不安なことがたくさんあると思います。そんな時は一人で抱え込まずに、必ず周りの人に相談してください。日本での経験は、皆さんの未来に大きな影響を与えてくれます。同じインドネシア人として、私たちも協力を惜しみませんので一緒に頑張りましょう」

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