更新日2025年07月09日
赤城乳業株式会社で働くアルキさん

大人気アイスの製造会社で特定技能2号を取得して日本人の正社員と同じ仕事に挑戦したい

アルキ・ガラン・マンダラ・プトラさん
(ALKI GALANG MANDALA PUTRA)
1994年生まれ スマトラ島・バンダルランプン市出身
技能実習生として初来日、1年の在留期間を終えて帰国

子どもの頃から日本のアニメが大好きで、「自分も日本語が話せるようになりたい。いつか日本に行ってみたい」という思いを持ち続けていたアルキさん。大学卒業後はコールセンターに勤めたが、自分には合っていないと感じて3ヵ月で退社。技能実習生を受け入れている日本の会社をインターネットで調べてエントリーしたところ、1社目にマッチングされたのが赤城乳業株式会社だった。

「日本で大人気の『ガリガリ君』というアイスを作っている会社だと紹介されて、すぐに『行きたいです!』とお返事しました。その後、社長さんをはじめ社員の方々がインドネシアに来られてテストや面接が行われ、採用していただくことができました」

2018年に初来日したアルキさんは、埼玉県本庄市にある本庄千本さくら『5S』工場の製造部在庫管理課に配属。憧れの日本での生活はとても充実していたが、アイスクリーム業界では在留期間が1年の技能実習1号しか認められていないため、あっという間に帰国の日がやってきた。

「私にとって1年は短すぎました。もっとたくさん日本語を学んで、もっと上手くなりたかった。日本でやり残していることがまだまだあったので、必ず戻ってこようと思いました」

インドネシアで特定技能1号を取得して再来日

インドネシアに帰国してすぐ、再び日本で働くためのスキルアップに勤んだ。求人サイトで見つけて入った日系企業の会社は上司が日本人で、社内でも日本語が使われていたので3年の在職期間でかなり上達した。2020年には独学で特定技能1号の資格を取得。その間に、赤城乳業からは「またうちの会社に来ることはできますか?」とラブコールを送られていた。

「赤城乳業は人間関係がとてもよかったんです。優しい人ばかりで大変なことがあった時は皆さんが手伝ってくれて、仕事も生活もしやすかったので、次も赤城乳業に行こうと決めていました。それで前回と同じ送り出し機関にお世話になって、2度目の採用が決まりました」

2022年5月、アルキさんは4年前と同じ本庄工場の部署に帰ってきた。在庫管理課の仕事は、アイスクリームの原材料や商品を入れる紙パックや段ボール、スティックなどの資材の受け入れ・保管、製造工程への搬出。アルキさんの業務は、1日の生産計画が書かれた指示書からその日に必要な資材の量を算出し、その資材の搬出を行うほか、フォークリフトの免許も取得して大きな荷物の運搬もこなす。勤務シフトは1週間交代で、日勤(8時~17時)と夜勤(20時~5時)があり、必要な場合は残業も行う。

「技能実習生の頃は、夜勤から日勤に移る時がメチャクチャ大変でした。なかなか寝付けないので、日中すごく眠かった。今はすっかり慣れて全然大丈夫ですけどね。アイスクリームの製造業は夏場が特に忙しくて、資材をどんどん入れないといけない。そうしたミスが起こりやすい状況で完璧な仕事ができた時に、すごくやりがいを感じますね」

日本の文化や考え方を理解することが大切

アルキさんは工場から原付バイクで10分弱の社宅で一人暮らし。趣味はスポーツジムでの筋トレで、平日の退勤後や仕事が休みの土日に、週に4~5日も通うほどハマっているそうだ。

「ベンチプレスは90キロ、デッドリフトは135キロくらい持ち上げます。もともと体を鍛えることが好きなのですが、一番は健康のため。それとメンタル面のリフレッシュも兼ねています。ジムで筋トレをしたあとに自分の体を鏡で見て、変化を感じられた時が最高に気持ちいいんですよ。それでもっと頑張ろうと思うんです」

今年の5月に特定技能2号を受験し合格。今後はインドネシアにいる妻と昨年生まれたばかりの娘を日本に呼んで新しい生活を始めたいと考えている。また社内の業務においても、さらなるキャリアアップを目指しているという。

「この先正社員になるためにも、日本人の社員さんと同じ仕事をやりたい。資材の発注などの重要な業務にも挑戦してみたいです。インドネシアの日系企業で働いていた時にもエクセルを使って日別、月別、年別の生産実績のデータベースを作成したり、そういった事務ワークの経験もあるので自信はあります」

日本で働きたいと思っている、インドネシアの人たちに伝えたいことは。

「やっぱり日本語は大事なので、できるだけ一生懸命勉強してほしい。でもそれだけじゃなくて、日本の文化や日本人の考え方もしっかり理解することが大切です。例えばインドネシア人は自分が思っていることをそのまますぐ口に出すけれど、それで人間関係が悪くなることがある。日本人は何度も考えてから発言します。国が違えば文化も違うので、自分で判断しないで周りをよく見ること。日本のことわざにあるように“郷に入っては郷に従え”です。そうすると、日本で楽しく安全に暮らせると思います」

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