ジャカルタ出身のアギさんは、2023年に留学ビザを取得して日本語研修所の2年コース「平日集中コース」に通っている留学生です。アギさんにとって、日本語を学ぶことは言語を習得するだけでなく、自身の夢であるホテル業界への就職を目指すための第一歩でもあります。本インタビューでは、日本語研修所での学びの経験や将来の目標について語っていただきました。
――日本に留学しようと思ったきっかけは
高校時代から英語やインドネシア語以外の外国語に興味があり、「英語が第一言語ではない国で学びたい」と思っていました。ちょうどその頃、友人から日本の1980年代のシティポップ音楽やジブリ映画をすすめられたことがきっかけで、日本に興味を持つようになりました。
――日本語研修所を選んだ理由は

一番の理由は、ビジネス日本語に特化した教育が受けられるからです。この学校に入る前はAPU(立命館アジア太平洋大学)に通っていたのですが、「仕事で通用するほどの日本語力はまだない」と感じたので、卒業後に再び日本語の学習に本腰を入れようと思いました。
日本語研修所のことは、以前同じ大学に通っていた先輩たちから紹介されました。学校のWebサイトを見て授業内容が自分に合っていると感じ、すぐに申し込みました。
――学校生活はどうですか
さまざまな国から来た学生たちと日本語で交流できることがうれしいですし、授業内容にも満足しています。特にプレゼンテーションの授業では、今気になっているニュースなどを発表してから意見交換をする時間があり、とても面白いです。また、校外活動も日本文化をより深く理解できるいい機会だと感じています。
――授業以外の時間はどのように過ごしていますか
授業が終わった後は、クラスメイトと一緒に昼ごはんを食べてから帰宅し、自習や宿題に取り組んでいます。最近は就職活動にも力を入れていて、履歴書を作成したり、面接の練習をしたりすることも多いです。
クラスメイトは社会人の方が多いので、それぞれ忙しいですが、時間が合う時は一緒に話したり食事を楽しんだりしています。

――授業以外の学校活動で楽しんでいることは
3ヵ月に一度、東京周辺にあるさまざまな場所へ出かけるアウトイング(課外活動)があります。この活動は、日本の社会や文化をより深く理解することができる貴重な機会だと思います。
例えば、防災センターを見学した時は、日本の災害対策について学ぶことができました。ゴミ処理施設に行き、日本人の環境に対する意識やリサイクルシステムについて勉強したこともあります。こういったアウトイングは、学びをより実感できる楽しい経験になっています。
――楽しかったこと、大変だったことは

いろんな国の友人と出会い、それぞれの文化について話せるのが楽しいです。先生たちは厳しいですが、それがかえって刺激になり、前向きな気持ちにさせてくれます。
毎日課題が出ますし、提出期限がすごくタイトなので大変ですが、その分自分が得られるものも大きいと思っています。
――卒業後の夢は
将来的には、日本のホテル業界で働きたいと思っています。大学では国際関係やホスピタリティに関する授業を取っていたので、そうした知識と今学んでいる日本語の知識を生かして、夢を叶えたいと思っています。ホテルの仕事は人とのコミュニケーションが求められるからこそ、高い日本語力を身につけられるよう引き続き頑張って勉強したいです。
――日本で学びたいと考えるインドネシアの若者へメッセージを

海外に住むのは簡単なことではありません。楽しい日もあれば、つらい日もあります。でも、それが自分を成長させてくれます。自信を持って、前向きに挑戦してください。周りにポジティブな仲間がいれば、きっと乗り越えられます。
日本語研修所は授業がハードですが、私も日々頑張っています。ここでは毎日が新しい挑戦で、うまくいく日もあれば、失敗する日もあります。それも含めて学びの一部なので、これからも励んでいきたいと思います。