更新日2025年04月24日
モノリスコーポレーション株式会社で働くハリさん

アニメがきっかけで来日し厳しくも優しい日本人の先輩のもとで左官の技術を学ぶ

ハリ・ウィジャヤさん
(HARRI WIJAYA)
1999年生まれ 北スマトラ州出身

日本に行きたいという思いから技能実習生の道へ

「子どもの頃から『ONE PIECE』や『NARUTO』などの日本のアニメが好きで、どうしても日本に行きたいと思っていました」。そう語るのは、左官工事や土間工事を手がけるモノリスコーポレーションで2022年から技能実習生として働くハリさん。

彼が日本に行きたいと思ったのは23歳の時。高校卒業後は日本の大学への進学を考えていたが、金銭的な理由から技能実習生として働く道を選んだ。当時通っていた日本語学校では介護と建設のどちらかを選ぶことができ、建設を選択した。

“オヤジ”のような先輩と楽しく仕事に励む

ハリさんは現在、壁や床を補修する左官職人として愛知県名古屋市の現場で働いている。傷やへこみがある壁にコンクリートを塗り、ペンキで塗装しやすい状態にする仕事だ。

「先輩たちが優しいので楽しく働けています。中には父親のように接してくれる人もいて、仕事が終わった後に餃子を食べに行ったり、休憩中に僕がちょっかいをかけると構ってもらえたりすることもあります(笑)。日本語は漢字が難しいのですが、現場でのコミュニケーションは聞いて理解できれば特に問題ありません」

年齢や国籍を問わずさまざまなスタッフを雇用するモノリスコーポレーションでは、一人ひとりが対等にコミュニケーションを取れる雰囲気づくりを行っている。年に一度の健康診断の後には「安全大会」を開催し、全国各地の現場で働くスタッフたちが気兼ねなくお互いの頑張りを労える場を設けている。ハリさんもまた、他の技能実習生たちとともに自分が慕う父親の元へ行き、日ごろの感謝を伝えながら楽しい時間を過ごした。

インドネシアと日本の考え方は違うと割り切ることも大事

ハリさんの最近の趣味は、昨年から始めた筋トレだ。仕事から帰ってきてすぐに、上半身の強化を中心としたトレーニングを1日2時間、週4回行っている。

「どんな服を着てもかっこよく見える“マッチョ”になりたくてトレーニングを始めました。地道に続けた甲斐もあり、徐々に成果が出てきています」

そんな彼の将来の夢は、インドネシアに戻って軍人になり、国に貢献することだ。男らしいかっこよさを追求するハリさんにとって、自分の力で大好きな国を守れる軍人は憧れなのだという。また、現在学んでいる左官の仕事を生かして、自分の家を建てることも目標にしている。

最後に、自分の憧れに向かってひたむきに努力するハリさんから、これから日本で働きたいと考えているインドネシア人へのメッセージを。

「日本には相手の成長を促すために、あえて人前で叱る人がいます。インドネシア人にとっては苦痛に感じることだと思いますが、インドネシアと日本の考え方は違うと割り切って、前向きに頑張ってほしいです。日本は水道水が飲めますし、いろんなものがあってとにかく便利。せっかく日本に来るからには、そうした日本の良さを感じながら未来に向かって励んでいきましょう」