左官・土間工事の職人として山形県や沖縄県など全国に出張して七転び八起きの精神で仕事に励む

デンディ・ワーユ・セプティアン
(DENDI WAHYU SEPTIAN)
2000年生まれ
東ジャワ・クディリ市出身
家族への思いが仕事を頑張る原動力
神奈川県にある建設会社のモノリスコーポレーションで、技能実習生として働くデンディさん。高校卒業後、日本で経験を積んでお金を稼ぎたいと考えていた彼は、インドネシアの建設会社で働いた後2022年に来日した。
現場での仕事は朝8時から17時までの約8時間。壁や床を補修する左官工事のほか、地面にコンクリートを流し込んで床を作る土間工事などを行う。
「インドネシアで働いていた頃は、左官工事だけでなく建築板金や型枠施工などの業務も行なっていました。左官の仕事で苦労することはあまりないのですが、土間工事は床にコンクリートを流し込む作業が大変ですね。コンクリートが乾くまでの間に全ての作業を終えなければならないし、固まるまでの待ち時間も長い」
デンディさんのやる気の源は、自国で暮らす家族の存在だ。いつでも家族のことを考えて、仕事で落ち込むことがあっても「自分の頑張りで家族の生活を豊かにするんだ」と自らを奮い立たせて業務に励んでいる。

出張を通して雪国や南国の暮らしを体験
デンディさんは今年の2月から東京都八王子市の現場で働いているが、それまでは沖縄県や茨城県など地方に出張していた。モノリスコーポレーションでは北海道から沖縄県まで全国に職人を派遣し、デンディさんのようにさまざまな場所で働く社員は珍しくない。
「今の現場の前は、山形県鶴岡市で半年ほど働いていました。初めて雪を見た時は、とてもきれいで感動しましたね。ただ、雪が積もると仕事に行くのが大変になるのと、寒さで手が痛くなるのがつらかったです。他にもいろいろな地方に出張させてもらえたおかげで、その土地ごとの魅力を知ることができました。特に沖縄県は、気候や言葉が他の地域と全く違ったので印象に残っています」
地方出張が多いからこそ、東京の便利さに驚くこともあるという。中でも電車の存在が大きく、短時間で都心に出られるうえに駅の近くにはたくさんのお店があるので快適だと言う。休日には同じ送り出し機関出身の友人とともに新宿や秋葉原に行き、古着屋で気に入ったコートやジャケットを購入したり、なじみの店でインドネシア料理を食べたりしている。

インドネシアの後輩に七転び八起きの精神を伝えたい
今年の10月で技能実習期間が満了になるデンディさんにとって、日本で過ごせる時間は残りわずか。自国に戻る前に、富士山に登るのが目標だ。
「インドネシアに戻ってからどうするかは、今のところ2つの道で悩んでいます。牛が好きなので牧場を経営したいと思っているのですが、今の会社で学んだことを生かして自分で左官工事の会社を立ち上げたいという夢もできました。どちらを選ぶかは、これからじっくり考えます。日本で働きたいと考えているインドネシアの後輩たちには、何度失敗してもくじけずに立ち上がるという日本のことわざ、七転び八起きの精神を伝えたいです」
