更新日2025年04月21日
愛の家グループホームで働くディキさん

入居者の笑顔が一番のやりがい。介護福祉士の資格を取って日本で長く働きたい

ディキさん
(DIKI)
中部ジャワ・プルウォダディ市出身

生活しやすい環境を求めて北海道から首都圏に

10代の頃からテレビやYouTubeで日本のアニメを見て、「日本で働きたい」と思うようになったというディキプトリさん。高校卒業後に日本語学校に入学し、面談を受けて北海道札幌市内にあるグループホームへの採用が決まった。

2022年3月に来日後、約2年間の在職中に特定技能「介護」を取得するなど、着実に業務実績を積むことができていたが、インドネシアで生まれ育ったディキプトリさんにとって、寒さの厳しい北海道での暮らしは思った以上につらかった。

「雪が多くて本当に寒い。冬は手や耳が痛くなるほどでした。それとどこへ行くにも遠くて、楽しみにしていた観光地などにもあまり出かけられなかったこともあり、生活がしやすい首都圏の職場を探しました」

2024年7月、オンラインで面談を受けた会社の中から東京に一番近かったことが決め手となり、メディカル・ケア・サービスが運営する埼玉県川口市内の「愛の家グループホーム」に転職した。

食事や入浴、トイレ、遊びの時間などの介護業務を担当

北海道では3人でルームシェアをしていたが、現在は埼玉県川口市内で一人暮らし。グループホームには自転車で通っている。勤務形態は早番(7時~16時頃)、遅番(10時~19時頃)、夜勤(16時~翌10時頃)の3交代制で、休日は月に8~10日ほど(事業所により時間の変更あり)。

「愛の家グループホーム」の入居者は、要支援2以上で認知症の診断を受けた人が対象。介護スタッフの業務は1日3回の食事準備や食事介助をベースに、その間にトイレの誘導や入浴の手伝い、入居者の衣類の洗濯などを行う。さらに散歩の付き添い、風船バレーやおはじきといった室内レクリエーションも認知症状の改善や緩和につながる大切な仕事だ。

「働き始めた頃に一番難しかったのは入居者さんとの会話です。今の人たちとは違う昔の言葉使いが理解できなくて、イライラさせてしまったり。時々、何を聞いても『知らない』と言われて困ってしまうことも。また、寝たきりの方の体を抱えて移動させるなど、介護の業務は体力をすごく使います。それでも入居者さんと一緒に遊んだり、冗談を言い合ったりした時に笑顔が見られると自分も元気になるし、皆さんのお役に立つことができた時は、とてもうれしいです」

分からないことは迷わず先輩に聞くことが大事

休みの日には友人と観光スポットを巡ったり、渋谷や原宿のカフェでお茶をしたり、買い物をしたりすることも多く、プライベートも充実している。

「以前はあと5年くらいでインドネシアに帰るつもりでしたが、今は考えが変わって日本でずっと働きたいと思うようになりました。お金を貯めたい気持ちもありますし、日本ではやりたいことがいろいろとできるので」

2025年6月から介護福祉士実務者研修を受講し、翌年に国家試験を受験しようと考えている。それと並行して、同年7月には日本語能力試験のN2にも挑戦する。

日本での就職を希望しているインドネシアの人たちへメッセージ。

「私も最初は大変でしたが、徐々に慣れることができるので自信を持って日本に来てください。私の職場の先輩は皆さん日本人ですが、困ったことがあると、いつでも優しく丁寧にアドバイスをしてくださいます。分からないことがあった時は、恥ずかしがらずにしっかり教えてもらうことが大事だと思います」

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