都内ホテルのハウスキーピング業務に従事し、16人のスタッフをまとめるリーダーとして活躍

ナンダ・プラティウィさん
(NANDA PRATIWI)
1998年生まれ
中部ジャワ・ウォノギリ市出身
日本の職場環境に魅力を感じて
インドネシアの大学で農作物の加工や市場での販売戦略などについて学んでいたナンダさん。
卒業後は専攻を生かした仕事に就きたいと考えていたが、コロナ禍の影響もあり希望通りの就職先が見つからなかった。そこで、友人の紹介を受けて職業訓練校に入学。業種を問わず、とにかく日本での就職を目指した。

「海外で働くことに興味を持ち始めたのは高校3年生からです。日本で働いている従姉妹に話を聞いたほか、インターネットで日本の生活について調べていました。職場の環境やお給料をはじめ多くの面に魅力を感じ、日本で働くことは自分の人生にとって良い影響があるだろうと思いました」
2022年7月に技能実習生として来日、ホテルやマンション、ビル、商業施設などの管理事業を展開する大和ライフネクストに入社した。
大和ライフネクストでは技能実習生や特定技能生が安心して働ける環境づくりに力を入れており、トラブルがあればすぐに対応できるよう、日本人スタッフ・通訳のサポートを万全に備えている。評価制度も細かく、短いスパンで評価することで3年間の技能実習期間中も多くのチャレンジができる制度設計を運用している。実際に仕事の実績が評価されたことで給料が上がり、母国の両親に家や畑を買った実習生もいるそうだ。
そんなインドネシアの先輩が身近にいるこの会社で、ナンダさんは日本での生活をスタートさせた。
あらゆる業務に全力投球、入社1年でリーダーに抜擢
ナンダさんの仕事は、ホテルの客室の清掃・整頓を行うハウスキーピング。まったく経験のない業務だけに、細やかな気配りや体力も必要とあって戸惑うことも多かった。大きなベッドを持ち上げたり、シーツをシワ一つなくセットしたりするベッドメイクが一番大変だった。
すると、ナンダさんはインドネシア人の先輩に質問をしたり、YouTubeにアップされているさまざまなベッドメイクの動画を参考にしたりして、どうしたら効率的に綺麗に仕上げられるか試行錯誤を重ねた。
「その上で、全ての業務で自分に今できることを全力で頑張るように心がけていたら、3カ月くらいで仕事の流れがつかめるようになりました」
ナンダさんの仕事ぶりが評価され、入社から約1年後にリーダーに抜擢。その時は「まだ心の準備ができていませんので」と辞退したが、再度打診があった際に覚悟を決めて承諾した。
「当時働いていたラグジュアリーホテルは客室が大きく、数も多かったので難しそうだと思いましたが、今回はそれよりコンパクトなビジネスホテルでというお話だったので、お引き受けしました」
会社内の職級&日本語のレベルアップが目標
入社以来、ナンダさんは会社が管理する千葉県内の宿舎で2人のルームメイトと同居生活。朝6時過ぎに家を出て、電車で通勤している。
2024年11月から独り立ちしたリーダーの仕事は、8時に出社後、その日の指示書作りからスタート。誰がどの客室を受け持つか、16人のスタッフの割り振りを決める。リーダーになると客室は担当せず、トイレなど共用部分の清掃に当たる。
「1カ月のシフトの作成や、やや大きめのクレーム・問題が起きた時など、一人で対処するのが難しく日本人スタッフの方に頼っている業務がいくつかありますが、そのあたりは今後ともサポートをお願いしたいと思います」
来日前は日本に馴染めるか、不安が大きかったが「特に問題なく過ごせていますし、新しい経験をどんどん積むことができるので、日本に来たこと、この会社を選んだことは間違いじゃなかったと感じています」と言う。
今後は特定技能に移行予定。また同年中に日本語能力試験(JLPT)のN3に合格することも目指している。

「この先も数年は今の会社で働きたいので、社内の職級を昇格できるように努力することと、日本語のレベルをもっと上げることが目標です。いつかインドネシアに戻ったら、レストランやお菓子屋さんなど、自分でビジネスを始めたいと思います」
これから日本に来るインドネシアの人たちに、こんなアドバイスを送った。
「出発前は日本語をよく勉強しておくことをおすすめします。実際に働き始めたら会社の規則や日本のルールをしっかり守り、責任を持って一生懸命仕事に取り組んでください。そしてお金を稼ぐだけではなく、自分の成長のために時間を有効活用してください。そうすれば、より良い自分になってインドネシアに帰ることができると思います」