日本最大級のインドネシアフェス「日本インドネシア市民友好文化フェスティバル(IJFF) 2024」レポート!
2024.10.22 up

日本最大級のインドネシアフェス「日本インドネシア市民友好文化フェスティバル(IJFF) 2024」レポート!

インドネシアの食や踊り、音楽などの文化を現地さながらの雰囲気で体感できる「日本インドネシア市民友好文化フェスティバル(IJFF)」。2008年より東京・代々木公園で開催されている本イベントは、駐日インドネシア共和国大使館や外務省をはじめ、多くの企業や官庁による後援・協賛のもと行われています。

第16回目となる今回は、10月19日(土)・20日(日)の2日間にわたって開催されました。本記事では、1日目の様子を中心にイベントの模様をお届けします。

100以上のブースが出展!着物の着付けコーナーやインドネシア料理が味わえるエリアも

イベントには両国の企業や官庁がブースを出展しており、その数はなんと過去最多となる100以上に及びました。

さまざまな工夫が凝らされたブースはどれも個性的で、インドネシアの名産品を紹介する大使館のコーナーをはじめ、インドネシアの出版社によるボードゲームや絵本の展示、ハラルフードやインドネシア雑貨の販売、さらには日本のアーケードゲームが楽しめるコーナーなどが用意されていました。中には浮世絵風の絵柄が描かれた扇子の配布や着物の着つけを行っているコーナーもあり、どのブースも多くの来場者でにぎわっていました。

中でも行列が目立っていたのが、約30店舗がずらりと並ぶ飲食エリアです。ここでは、定番のナシゴレンやサテ(インドネシア風焼き鳥)のほか、ルンダン(牛肉のココナッツスパイシー煮込み)、オンゴルオンゴル(キャッサバを使った伝統菓子)など、インドネシアの本格的な料理を味わえました。会場に漂う芳醇なスパイスの香りに引き寄せられたのか、真っ先に飲食エリアに向かう来場者の姿も見られました。

当日は気温30℃を超える真夏日だったため、インドネシアで人気のビンタンビールの売れ行きも好調。ほかにも、甘いジャスミンティーやグァバジュースといったインドネシアならではのドリンクも数多く用意されており、異国情緒を味わいながら喉を潤すことができました。

出展していたお店の多くではインドネシア人の料理人が腕を振るっており、提供される料理も本場の味を再現したものがほとんど。日本で暮らすインドネシア人にとっては“故郷の味”を感じられる特別な機会になったようです。

同じ送り出し機関(LPK)で学んでいた友人同士でイベントに訪れたというインドネシア人のグループは、こういった本格的なインドネシア料理を楽しみに訪れたそう。「現在はそれぞれが別の施設で介護の仕事に励んでおり、なかなか国に帰ることができません。ここでは日本で地元の味を楽しむことができるのでとてもうれしいです」と、感慨深そうに語っていました。

本場の味を楽しみに訪れたのは、現地の人々だけではありません。バリへの旅行がきっかけでインドネシアに興味が湧いたという日本人の2人は、インドネシアのグルメを堪能しにこのイベントに参加。「インドネシアは料理もビンタンビールもおいしいので、たくさん食べて楽しみたい」とにこやかに話していました。

メインステージにはインドネシアの若者に人気のロックバンド「J-Rock」が登場!

イベントのもうひとつの目玉となったのが、メインステージでのパフォーマンスです。インドネシアの伝統舞踊や沖縄の伝統芸能・エイサーをベースにした「琉球國祭り太鼓」、東京インドネシア共和国学校の中高生によるアンクルン(インドネシアの竹製打楽器)演奏など、多種多様な演目が披露されました。

中には会場一体となるパフォーマンスを行うグループもあり、来場者は歓声を上げたり、音楽に合わせて一緒に歌ったり、時には自分たちも踊りに参加したりしながらステージを楽しんでいました。

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両日ともにメインステージの最後を飾ったのは、インドネシア発の4人組ロックバンド「J-Rocks」。「L’Arc-en-Ciel(ラルク アン シエル)」などの日本のロックバンドの影響を受けながら独自の楽曲を作り上げている彼らは、日本文化を愛するインドネシアの若者たちから絶大な人気を集めています。その熱狂ぶりはすさまじく、登場前から「『J-Rocks』コール」が起こるという一幕も。メンバーがステージ上に姿を現すと大歓声が沸き起こり、会場の熱気は最高潮に達しました。

ステージでは「J-Rocks」自身の楽曲はもちろん、インドネシア国歌の一つ「TANAH AIRKU (我が故郷)」も演奏されました。会場に集まったインドネシア人のファンたちにとっては、好きなアーティストのパフォーマンスを通して自国に想いを馳せる味わい深い時間となったようです。

お互いの文化を楽しく学んで認め合う、両国の架け橋になるイベント

「日本インドネシア市民友好文化フェスティバル」は、見て、聞いて、味わって、まさに五感で両国の文化を体験できるイベントとなっていました。そんな本イベントを楽しんでいた来場者たちの感想をお届けします。

芸能関係のプロジェクトに携わっているというインドネシア人の2人は、横浜市内のモスクでイベントの存在を知り来場したそうです。「インドネシアの雰囲気を体感できるのはもちろん、日本人がステージでインドネシアの楽曲を歌うなどの光景を見られるのが面白いです」と、楽しそうに語っていました。

日本人の大学生2人組は、インドネシア人の友人がSNSで発信していた情報を見て来場。この2人は、なんとインドネシアがきっかけで友人になったのだと言います。インドネシアの魅力について聞くと、「インドネシアは自由な国で、いろいろなことを認めてくれる文化があって好きです」と笑顔で答えてくれました。

また、右側の女性は中学生の時にもこのイベントに来ていたそうです。前回来場したときの違いについて、「前はもっと小さい規模でやっていたと思います。インドネシア人や日本人の数も増えましたね!」と話していました。

2日間ともに大盛況のまま終了した本イベント。会場内には笑顔と笑い声が溢れており、陽気で和やかな雰囲気が終始漂っていました。日本とインドネシアの魅力を伝え合うこのフェスティバルが気になった人は、ぜひ来年参加してみてはいかがでしょうか。