7月に開催されたImpactnation Japan Festival 2024とKAJI Sakura Matsuri 2024。両イベントは、著名アーティストの出演や在インドネシア日本大使館の協力もあるなど、ジャカルタでも最大級の規模を誇る日本文化交流イベントです。そして今年の両イベントには、初の日本在住の日本人として一人の女性がMC出演しました。
柴崎七虹(しばさき・ななこ)さんは、日本に拠点を置くTikTokerです。中学3年生から女優として活動していましたが、現在はTikTokなどのSNSを中心に活動。SNSの総フォロワー数は100万人を超え、その9割がインドネシア人で占められています。今でこそインドネシアの若者から人気を得ている柴崎さんですが、その背景には大きな挫折がありました。
「中学生のころから取り組んでいた女優業で思ったように芽が出ない中、周りの友人が大学卒業後の進路を決めている状況に危機感を覚えました。最後にSNSを頑張ってみて駄目だったら就職する道を選ぼうと思い、そこから毎日数時間のライブ配信を行っていました」
活動の場をSNSに移した柴崎さんに転機が訪れたのは、半年前のことでした。TikTokのライブ配信中にインドネシア・バリ島在住のユーザーが参加すると、以前からインドネシアに関心があった柴崎さんと意気投合。その日以降、インドネシア人からのフォローが殺到し、フォロワー数も数千人からわずか半年で80万人まで増えました。
「幼い頃に家族とインドネシアに旅行した経験があり、家はインドネシア雑貨であふれていました。そのような家で育ったこともあってか、インドネシアという国は身近な存在でした。あの日訪れたユーザーが拡散してくれたのかは分かりませんが、ここまでインドネシア人のフォロワーが増えるなんて想像していませんでした」
その後、柴崎さんはインドネシアに向けた発信を開始。インドネシア語の勉強も始め、彼女のSNS上では常にインドネシア語が飛び交っています。そして、今年の7月20日からジャカルタで開催されたImpactnation Japan Festival 2024にMCとして舞台に立つと、続くKAJI Sakura Matsuri 2024にも飛び入りゲストとして出演。日本在住の日本人としては初めてのMC出演となり、イベントには多くのファンが駆けつけました。会場にも急きょ柴崎さんの専用ブースが設けられ、ファンとの交流を楽しんだとのことです。
「まず、インドネシアのファンたちの反応に驚きました。日本でのイベントやライブでは経験したことのないほどの熱量で迎えられ、客席から私の名前を呼んでくれる方がいたことも印象に残っています。初MCで緊張していましたが、楽しみながら役目を務められました。またブースに訪れたファンの中には、日本語で話しかけてくる方や好きなアニメを尋ねる方が大勢いて、日本や日本文化がインドネシアの人たちにとても愛されていると知り、誇らしく感じました。それに、普段日本にいるだけではファンと直接交流する機会もないので、今回のイベントでたくさんの方に応援していただいていることに気づきました。これからも、もっと頑張ろうと思います」
最後に、彼女に今後の目標を語っていただきました。
「実際に住んでいるからこそ発信できる日本のことをインドネシアのファンに伝えたいですし、日本人のみんなにもインドネシアのことをもっと知ってもらいたいです。インドネシアの方たちは、とても明るく前向きな性格の人ばかりです。漫画やアニメ、ゲームやアイドルなど、日本のポップカルチャーへの関心も高いので、きっと日本人にとっても素敵なパートナーになれると思います。そして、私の人生を大きく変えてくれたインドネシアに恩返しができるよう、何かしらのかたちで貢献できたらいいですね」
インドネシアでの大仕事を無事に終えた柴崎さん。日本とインドネシアの架け橋のような存在を目指す彼女のこれからの活躍に注目です。
柴崎七虹さんの公式アカウントはこちら
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