山梨市と拓殖大学の思い描くものとは
2025年7月30日、「山梨市と拓殖大学の連携・協力に関する包括協定」の締結式が山梨市役所で行われました。今回の協定は、農業を中心とした産業・文化の振興や交流人口の拡大、さらには地域課題の解決を主な目的として締結されたものです。

山梨市は、扇状地の地形を生かし、モモやシャインマスカットなどの多種多様な果樹栽培を盛んに行う地域です。一方、拓殖大学は、農業を基盤にグローバル人材の育成を目指す「国際学部・農業総合コース」を有しており、今回の協定により、両者の強みを生かした地方創生や学術研究の推進が期待されています。
この協定に基づき、拓殖大学八王子キャンパスに通う農業総合コースの学生が、山梨市内の果樹農家のもとで実地指導を受け、実践的な技術を学ぶ環境が設けられました。果樹栽培は、世界的に需要の高い分野でありながら、技術を継承する人材が不足しているのが現状です。そのため、今回の取り組みは学生にとっても非常に貴重な学びの場となり、地域にとっても若い世代の視点や活力を取り入れる機会となります。

締結式では、高木晴雄山梨市長および拓殖大学鈴木昭一学長がそれぞれ挨拶を述べました。
高木市長は、「全人口3万3,000人の小さな市である山梨市が、1万人近い学生が通う拓殖大学とこのような協定を結ばせていただいたことを非常に誇りに思います」と述べ、今後は農業分野にとどまらず、さまざまな分野でも連携を広げていきたいと話しました。

鈴木学長は、「今回の取り組みは学生にとってかけがえのない体験となると同時に、若い世代の視点や国際的な感性がもたらす新たな価値の創出につながるものと確信しております」と語り、地方と大学が互いの強みを生かし、新しい地方創生のモデルケースとなることを目指していく考えを示しました。

今後は、山梨市内で果樹栽培を手がける株式会社PlayestJAPAN・加賀美進代表の協力を得ながら、実践的な研究と人材育成を進めていく予定です。
