2021.11.10 up

子供の成長を祝うお祭り・七五三

日本には「七五三」と呼ばれる年中行事があります。子供の無事の成長を奉告・祈願する行事で、三歳・五歳・七歳の節目に行われることからこのように呼ばれています。平安時代に起源が見られ、現在では日本全国に定着しています。国外ではあまり知られていない七五三の由来や、何をする行事なのかなどをご紹介します。

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例年11月15日に行われる奉告祭

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日本の旧暦(太陰太陽暦)において、11月は収穫を終えてその実りを神に感謝する月であり、また、毎月の15日は何事をするにも吉日であるとされていました。その名残から、新歴(グレゴリオ暦)を使うようになった現在でも、11月15日に収穫と子供の成長を感謝し、加護を祈る行事が行われています。これが七五三です。子供たちはそれぞれの歳ごとに決まった晴れ着で着飾り、家族とともに神社やお寺に参詣するのです。

七五三の歴史と由来

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かつての日本では衛生環境があまり良くなかったこともあり、幼いうちに命を落とす子供たちも少なくありませんでした。「七歳までは神のうち」と言われ、七歳以下の子供はいつ神様のもとへ帰ってしまう(=死んでしまう)かもわからない、儚い存在だったのです。そのため子供が無事に成長することは大きな喜びであり、一定の年齢に無事成長する度に氏神への感謝と引き続きの加護を祈ることが行われてきました。

三歳、五歳、七歳という時期については、平安時代(749年~1192年ごろ)の宮中行事が元となっているという説が有力です。三歳の「髪置(かみおき)の儀」、五歳の「帯解(おびとき)の儀」、七歳の「袴着(はかまぎ)の儀」と子供の成長にあわせて身なりや服装を大人のものへと整えていく行事が行われていました。当時はそれぞれ個別の行事だったようですが、時代が下るにつれて民衆に広がるとともに一つの行事のようにまとめられていったようです。(そのため、地方によっては年齢や内容が異なる場合もあります)

長寿を祈願するお菓子・千歳飴

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千歳飴(ちとせあめ)は七五三で食べられる特徴的なお菓子です。千歳とは長い年月を意味し、「長生きできるように」という願いが込められています。直径15mm以下、長さ1m以下が伝統的なサイズとされ、鶴亀や松竹梅といった縁起のいい図柄があしらわれた千歳飴袋に入れられています。

七五三は、子供が死と隣り合わせの儚い時期を過ぎ、すくすくと成長してくれたことへの感謝と、その後も末永く健康に暮らせることを祈願する、親の愛情に溢れたお祭りなのです。